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2016年10月28日金曜日

会員展覧会レポート【川崎真奈個展「土曜日のアイスクリーム」】


 


不思議な吸引力を持った世界観だ。
会場には静かな時間が流れ、見知らぬ異国に迷い込んだかのような錯覚に陥る。
そして、見知らぬ異国の人々は、なぜか懐かしい。

川崎真奈さん、4回目の個展は、HBギャラリーでの開催となった。
課題だった人物も、川崎真奈さんにふさわしいディフォルメを得て、作品は新たな段階へとステップアップした感がある。
仕事をたくさんこなすうちに、さらに進化するだろう。
彼女の才能に期待したい。

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川崎真奈個展「土曜日のアイスクリーム」
会期:2016年10月21日(金)ー10月26日(水)
場所:HBギャラリー http://hbgallery.com/
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川崎真奈 イラストレーターズ通信ページ http://www.illustrators.jp/profile.php?id=1054

2016年10月27日木曜日

会員展覧会レポート【あいざわりさ子個展「DANCING COLORS」】




期待の新人、あいざわりさ子さんの初めての本格的な個展である。
キャンディーの箱をひっくり返したような色彩が会場いっぱいに広がった。
その色彩は日本のものではない。
どこかヨーロッパを感じさせる不思議な色彩だ。
彼女は、色の魔法使いなのかもしれない。

会期は、10月29日(土)まで。

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あいざわりさ子個展『DANCING COLORS』
会期:2016年10月24日(月)~10月29日(土)
会場:Pinpoint Gallery
http://www.pinpointgallery.com/
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あいざわりさ子「イラストレーターズ通信」ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=1375



会員展覧会レポート【あいざわりさ子個展「DANCING COLORS」】




期待の新人、あいざわりさ子さんの初めての本格的な個展である。
キャンディーの箱をひっくり返したような色彩が会場いっぱいに広がった。
その色彩は日本のものではない。
どこかヨーロッパを感じさせる不思議な色彩だ。
彼女は、色の魔法使いなのかもしれない。

会期は、10月29日(土)まで。

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あいざわりさ子個展『DANCING COLORS』
会期:2016年10月24日(月)~10月29日(土)
会場:Pinpoint Gallery
http://www.pinpointgallery.com/
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あいざわりさ子「イラストレーターズ通信」ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=1375



2016年4月20日水曜日

会員展覧会レポート【太田裕子個展「骨董市 ひと、もの」】








太田裕子さんが、アクリルガッシュ画の個展を開いた。
これまで、彼女はずっと、布や刺繍の作品を発表してきた
この個展に当たって、はじめて本格的に絵の具で描きはじめたのだそうだ。

しかし、描きはじめたばかりのタッチとは思えない完成度に驚かされた。
微妙な色使い、下地の透けた味のある塗り。どれも達者で感心した。
布や刺繍の作品同様に、彼女の世界観から、自然と生まれてきた印象だ。
世界観さえしっかりしていれば、画材やタッチが違っても、何を描いたとしても、いい作品になる。その見本のような作品だった。

このタッチでさらに仕事が広がるだろう。
活躍に期待したい。

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太田裕子個展「骨董市 ひと、もの」
会期:2016年4月8日(金)-13日(水)
会場:OPAギャラリー
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太田裕子「イラストレーターズ通信」ページ

2015年7月23日木曜日

会員展覧会レポート【オオウラシオリ個展「テーブルマナーに知らんぷり」】






期待の新人の初個展である。
会場に並んだ作品は、ラブリーで、お茶目、そしてチャーミング。
そして何より、おいしそうだ。
食べ物をおいしそうにかけるというのは、大きな武器だろう。

2年近く前、イラストレーターズ通信事務局でアルバイトにきていただいた頃は、まだ東京に出て間もなく、イラストレーションの仕事もほとんどなかったようだ。
それがこの1年ほどで、どんどん実績を積み上げ、すっかりプロフェッショナルとして活躍するまでになった。

この個展をきっかけに更なる飛躍を期待したい。

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オオウラシオリ個展「テーブルマナーに知らんぷり」
会期:2015年7月20日(月)から7月25日(土)
時間:12:00~19:00(※初日:14時から、最終日:17時まで)
会場:CUBE SPACE GALLERY(東京都港区南青山 5-1-27青山ナラビル4階)
http://cube-s.net

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オオウラシオリ「イラストレーターズ通信」ページ
http://illustrators.jp/profile.php?id=1192

2015年7月14日火曜日

会員展覧会レポート【愛川空個展「彼女たち」】




受け取った案内状のイラストレーションに心引かれた。
涼しげな瞳を遠くに向けた女性の横顔だ。
ほのかな息づかいを感じる。
「この女性画に会いたい」そう思って、久方ぶりに青山のギャラリーを訪れた。

そこはーー
いろいとりどりの「花と女性」が並び、お花畑となっていた。


愛川空さんは、かつて抽象に近い作品を描いていた。
その時から才能とセンスを感じさせたが、仕事としては難しい印象もあった。
それが、「花と女性」というテーマを見つけたことで、仕事により近い位置に来ていると感じた。
まだ仕事は少ないというが、「書籍のカバーを描きたい」という目標に向かって、確実に一歩進んだと思う。

ぜひ、更なる進化を遂げてほしい。
期待の才能である。


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愛川空個展「彼女たち」
会期:2015年7月10日(金)から15日(水)
会場:OPAギャラリー
http://opagallery.net

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愛川空「イラストレーターズ通信」ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=1094




2013年8月1日木曜日

会員展覧会レポート【水沢そら個展「pirka mer」】






タイトルの「pirka mer」は、アイヌ語で「すばらしき閃光」という意味だという。
そのタイトル通り、まばゆいばかりの光に満ちた展覧会となった。
それは、水沢そらさん自身が放つ才能のきらめきだったのではないか。


新鮮でおしゃれ、しかもかっこいい。
独自の技法も面白い。
絵を見てわくわくすることは、そうあることではない。
しかし、この個展会場には、確かにそれがあった。


今はまだほとんど仕事がないというが、
日本イラストレーション界の中核的な存在になっていくのではないか。
未来のトップランナーの、記念すべき初個展として記録にとどめたい。


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水沢そら個展"pirka mer"
会期:2013年7月23日(火)から28日(日)
会場:タンバリンギャラリー
http://tambourin-gallery.com/

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水沢そら「イラストレーターズ通信」ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=1114

2013年6月19日水曜日

会員展覧会レポート【agoera個展「情景」】








会場では、魂に響いてくる世界観に圧倒された。

agoeraさんの作品に一目惚れしたのは、数年前の第2回イラストレーターズ通信コンペの審査の時である。
レベルの高い応募作の中でも、ひときわ輝くその才能に驚いた。
私の中では大賞候補の一人だった。

残念ながらその年のコンペでは選に漏れたが、翌年の第3回イラストレーターズ通信コンペで入選。
ペーターズギャラリーコンペ2012では、箭内道彦賞。
イラストレーション誌「第30回ザ・チョイス年度賞」でも入賞(第3位)。
と活躍が始まっている。

今、新たな時代を予感させる一人だ。

(イラストレーターズ通信主宰:森流一郎)


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agoera個展「情景」
会期:2013年6月7日(金)-12日(水)
場所:HBギャラリー http://hbgallery.com/

agoera イラストレーターズ通信ページ http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0954

会員展覧会レポート【楯川友佳子個展「rain」】







楯川友佳子さんは、どこか私の作品に似た匂いがする。
ここ数年、ずっと気になっている会員の一人だ。


今回の個展では、梅雨の季節に雨をテーマにした作品が並んだ。
シンプルな色使いだが、感情を揺さぶられるものがある。
展示作品につけられた文章もうまい。
内省的な世界がより深まっていることを感じる、いい展覧会となった。


(イラストレーターズ通信主宰:森流一郎)

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楯川友佳子個展「rain」
会期:2013年6月3日(月)~6月8日(土)
11:30~19:00(最終日17時まで)

会場:GALLERY HOUSE MAYA
http://www.gallery-h-maya.com


楯川友佳子 イラストレーターズ通信ページ http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0856

会員展覧会レポート【竹永絵里個展「世界の民族衣装」】







竹永絵里さんの個展が、OPA Galleryで開催された。
テーマは「世界の民族衣装」。
元の民族衣装はそれぞれの色と形で全く異なるはずなのだが、「竹永絵里」というフィルターを通して同じ世界観で統一されるから不思議だ。
カラフルでかわいい。
しかし、それだけではない。
ずば抜けたセンスが、きわめて高い大衆性をもたらしている。
これはなかなか出来るものではない。

竹永絵里さんによれば、「イラストレーターズ通信」をきっかけとしたお仕事を数えてみたら、この1年で8つあったという。
おそらく会員の中でも多い方だと思う。
イラストレーターズ通信の中でも今最も活躍する会員の一人になりつつある、といっていいだろう。
ますます期待したい。

(イラストレーターズ通信主宰:森流一郎)


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竹永絵里個展「世界の民族衣装」
会期:2013/5/31(金)から6/5(水)
場所:OPA Gallery http://opagallery.net/

竹永絵里 イラストレーターズ通信ページ http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0830

2013年5月22日水曜日

会員展覧会レポート【なかむら葉子個展「夢みごこち」】



なかむら葉子さんが、HBギャラリーで個展を開催した。

彼女は、「第4回イラストレーターズ通信コンペ」で大賞を受賞し、今最も期待される新人の一人である。
その個展とあって、数ヶ月前から心待ちにしていた。
「期待が大きくなりすぎているか……」と少し不安もあったが、それは杞憂だった。
会場に並んだ作品を見て、心の中で大きくうなずいた
「大丈夫だ」と。

コンペで受賞した作品に比べると、全般に色が強めになってきた印象だ。
風景が多かったが、椅子など「もの」を単体で描いた作品もある。
大賞を取ったからとそこに安住するのではなく、新しいチャレンジを試みている。
それが頼もしい。
しかし、彼女らしい世界観は変わらない。
そこがうれしい。

九州在住の彼女だが、個展期間中は東京にホテルを取って毎日在廊しているという。
さらに、午前中は、出版社などへの持ち込みもしていると聞いて驚いた。
イラストレーターという職業にかける「気迫」を感じる。

「もう少しで世界が開ける、その一段手前のような気がするんです」
というなかむらさん。
一段登った後に開ける世界がどんなものになるのか、ファンの一人としても見守りたい。


なかむら葉子「Webイラストレーターズ通信」会員ページ



2013年2月19日火曜日

会員展覧会レポート【川崎真奈個展「街の色」】





川崎真奈さんの初個展だ。
第4回イラストレーターズ通信コンペで入選を果たし、今最も気になる新鋭の一人となった。
その作品たちは、もの静かな印象だ。
声だかに何かを押し付けてくる作品ではない。
しかし、作品の世界に引き込むような引力と、不思議な存在感がある。

個展のタイトルは、「街の色」。
確かにどの作品も「色」がいい。
優しく深みのある色使いに、プロのセンスを感じる。
イラストレーターを目指す前から色が好きで、作品では特にこだわっている要素だという。
しかし魅力は、色だけではない。
デフォルメも面白い。
色むらのつけ方にも味わいがある。
そして何と言っても、世界観がしっかりしている。

大学では経営学部だった。
ファッションを学んだこともあるという。
それが、4年ほど前からF-SCHOOL OF ILUSTRATIONに通い始め、イラストレーションに目覚めたのだという。
数年前に描いたというイラストレーションを見せていただいたが、まだまだ未熟で今の作品に到達するとは想像もつかない。
たった4年で、ここまで来れたその才能に驚かされる。

今はまだ、イラストレーションのお仕事はしていないという。
本当にここからスタートする新人ということになる。
これだけの才能だ。
数年後には、たくさんの仕事をしているだろう。
活躍が、目に見えるようだ。
期待したい。



会期:2013年2月15日(金)から2月20日(水)まで
時間:11時から19時(最終日17時まで)

場所:OPAgallery(東京都渋谷区神宮前4-1-23 1F)
表参道駅 A2,A3出口徒歩5分
http://www.geocities.jp/opa_gs/

2012年9月28日金曜日

会員展覧会レポート【尾崎千春個展「I N O R I」】




Gallery Dazzleにて、尾崎千春さんの展覧会が開催中である。
彼女はイラストレーターズ通信の古くからの参加者の一人だ。
私がその作品に惚れ込み、初めて参加いただいたのは5年以上昔ーー
当時、彼女はまだイラストレーションのお仕事をしたことがなかった。
それが、イラストレーターズ通信をきっかけに新聞小説挿絵等様々な仕事につながった。
その実績もあってだろう、本年度から玄光社の『ファッションイラストレーションファイル』にも掲載されている。
イラストレーターとして着実な歩みを遂げてきたと思う。
とても喜ばしく思っていた。
そして今回は初めての個展だ。
わくわくしながら会場に向かった。

会場の扉を開けて、しばし飾られた作品を見回す。
ギャラリーは、尾崎千春カラーに染まっていた。
シックで落ち着いた色使いが彼女の持ち味だ。
どの作品もまぎれもなく、尾崎さんの色なのだ。
話を聞くと、絵の具の色をそのまま使わず、ある二つの色を混ぜて、色彩に統一感をもたせているのだという。
その色は、尾崎さんの心の色でもあるのかもしれない。
ご本人の雰囲気にとても合っている。

そして、尾崎作品で魅力的なのは、なによりも人物だ。
どの作品にも丁寧で生き生きとした人間が描かれている。
その人物がまたいい顔をしているのだ。
それだけではない。
服もいい。皺の1本1本まで上手い。

実はーー
学生時代、服飾の勉強をしていたのだという。
それでも絵が好きで、少々遠回りながらもイラストレーターへの道を歩んできた。
結果として、服がきちんとかけるイラストレーターになったと思う。
どんな遠回りもやがて自分自身の養分となるのだ、と改めて納得する。

昔の作品も素晴らしかったが、独特の世界観が邪魔をして、お仕事としては使いにくさもあった。
それが、新聞小説の挿絵をしてから、大きく画風が変わった。
幻想的で平面的な作品から、日常的で奥行きのあるイラストレーションへと進化したのだ。
新聞小説では、それまで描いたことのなかったもの苦手なものもどんどん描かなければならなかったという。
それが彼女の画風に変化をもたらした。
今回の個展は、変化した作風の、ギャラリーでのお披露目展示ともいえる。

装丁や挿絵等、小説に関わる仕事に興味があるという。
彼女の作品が次々と装丁に使用され、書店に並ぶ様子を想像すると楽しくなる。
いやおそらく、それは現実となるだろう。
今回の個展を拝見して、イラストレーターとしてさらに活躍してゆくだろうことを確信した。

今後も応援していきたい。
私の大好きな才能の一人だから。




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尾崎千春「イラストレーターズ通信」会員ページ


「I N O R I」
会期:2012年9月25日(火)から30日(日)
   12:00~19:00(月休・最終日は17:00まで)
場所:Gallery Dazzle
   東京都港区北青山2-12-20 #101
ギャラリー Webサイト:http://gallery-dazzle.com/



2012年9月11日火曜日

会員展覧会レポート【林けいか個展「きらきら」】




林けいかさんが、これまでの「かわいい」画風とは一変したタッチで個展を開催中だ。
あさって12日までとなったが、会員展覧会レポートをお送りする


ギャラリーの扉を開けた私を、何かの光が包み込んだ。
まぶしい思いで室内を見回す。
そこには、これまでよく知る彼女のタッチとはまるで違う作品が並んでいた。

「きらきら」が展覧会のタイトル。
作品ひとつひとつに光が描かれている。
これが会場に満ちているからだろうか?
林さんにお話を伺いながらも、まぶしい思いは消えなかった。

これまでの作品は「かわいい」キャラクター的タッチの作風で描いてきた。
Photoshopで線画に色を付けたものが多い。

それが今回の個展で飾られていたのはーー
絵の具を塗込めた、もっと大人な作品だった。

「かわいい」タッチでは、雑誌のカット等でお仕事をしてきた。
今後は、展示した作風でもどんどん描いていきたい、装丁や小説挿絵などに活動の場を広げたい、と話す林さん。
そして、作品販売も積極的に行っていきたいのだという。
だから「お部屋に飾って心地よい作品」ということも考えて描いたそうだ。
既に二つの作品に売約済みのシールが貼られていた。

さらに目標はつきないようだ。
この画風にあった人物の描き方がまだ見つからない。
今後の目標は人物だと、笑顔で抱負を語る林さん。
その瞳がまぶしい。

そうなのかーー
ようやく気がつく。
私を包んだ輝きは、イラストレーションに光が描かれていたからだけではなかったのだ。
林さん自身が「きらきら」と光っていたのだ。
未来に向かってまっすぐに進もうとする、林さんの魂の輝きーー
それが作品ひとつひとつにも宿って、空間を満たしていたからこそ、この個展会場でまぶしさを感じたのだ。

まだ発展途上なのかもしれない。
しかし、そのまっすぐな気持ちがあれば、大丈夫だろう。
これから、さらによくなっていくはずだ。

楽しみな才能がまたひとつ増えた。



(イラストレーターズ通信 主宰/森流一郎)
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林けいか「イラストレーターズ通信」会員ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0577

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林けいか個展『きらきら』
会期:2012年9月7日(金)から12日(水)
時間:11:00から19:00(最終日は17:00まで)
場所:OPA gallery(東京都渋谷区神宮前4-1-23-1F)
ギャラリーホームページ:http://www.geocities.jp/opa_gs/

2012年9月1日土曜日

会員展覧会レポート【苗村さとみ企画展「バカンス Les vacances de la femme(女の休暇)」】




最近、話題の書籍がある。
松本清張賞をとった『烏に単は似合わない』(文藝春秋)だ。
http://www.amazon.co.jp/dp/4163816100

書店では平積みされ、広告もよく見かける。
カバーイラストレーションを手がけているのは、イラストレーターズ通信会員の苗村さとみさん。
その苗村さんのグループ展が、ギャラリーダズルで開催中だ。
先日、その会場に行ってきた。

地下鉄外苑前の駅から外にでたとたん、思いがけないほどの暑さが、身体を包み込むように襲ってきた。
確か、その日の天気予報は、東京の最高気温は35度と告げていた。
アスファルトに覆われたこの街の実際の温度は、それ以上になっているはずだ。
会場に向かう足が、一歩、一歩、重くなる
到着する頃には、頭がもうろうとなりかけていた。

ようやく、会場に入ったところ、涼やかな空気に、頭もすっきりとしてきた。
冷房のおかげもあるだろう。
しかし、それだけではない。
苗村さんの作品が、涼しいバカンスの風を送ってきてくれたのだ。

展覧会のテーマは「バカンス」。
だから、どの作品も夏らしい。
しかし、暑苦しさはない。
つくづく思うーー
イラストレーションとは不思議なものだ。
夏らしいのに、涼しさを生む。

会場正面に並んだ、作品の前にしばし立ち止まる。
女性と花が描かれたものが5点。
美しきモチーフの競演に見とれる。
そして不思議な涼しさに心をゆだねる。
そう、確かにこれはバカンスの気持ち良さだ。

彼女はこれまでも一貫して、大正ロマンの香りあふれる作風で、花と女性をテーマに創作活動をしてきた。
独特の世界観に、使用される仕事の範囲が狭まるという面もあろう。
しかし頑固に守り続けてきたことで、技術・センスに磨きがかかり、近年の作品は驚くほど上質になった。

浴衣姿で迎えてくれた苗村さんに好きなイラストレーターを聞くと、
高畠華宵、高橋真琴、藤田ミラノの名前が挙がって、なるほどと納得する。
どこか高貴な気品は、彼らから受け継いだものだったのだろう。

どうか更なる高みを目指してほしい。
大好きだという偉大な先達に並ぶほどに、自分の世界を完成させてほしい。
期待が大きく膨らんだ。

ギャラリーをでると、またあの暑さが戻ってくる。
つかの間のバカンスが終わったような寂しさを感じた。

展覧会は9月2日まで。
未見の方は、お急ぎ下さい。

(イラストレーターズ通信主宰/森流一郎)




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苗村さとみ「イラストレーターズ通信」会員ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0040


バカンス Les vacances de la femme(女の休暇)
会期:2012年8月28日(火)~9月2日(日)
   12:00~19:00(月休・最終日は17:00まで)
場所:Gallery Dazzle
   東京都港区北青山2-12-20 #101
ギャラリー Webサイト:http://gallery-dazzle.com/

出品者:大窪洋子 草野文香 友田萌衣 苗村さとみ 中村奈々子 村瀬エレナ (DM掲載順・敬称略)

2012年5月14日月曜日

会員展覧会レポート【大広ようこ5人展「木のある風景」】




オーパギャラリーにて開催中の「木のある風景」展は、16日まで。
最終日間近となった。
今回は、大広ようこさんのレポートをお送りする。

その日、ギャラリーに入った私は、異様な魅力で独特の世界に連れ去られた。
作品は、眼に見えないオーラを放っている。
しばし離れた場所に立ち尽くし、その魅力とめまいににた感覚に酔った。
決してセオリー通りとはいえない配色は、バランスが崩れる一歩手前で、独特の輝きとなって見る者の心を掴む
おそらく、プロでもまねはむつかしい。彼女にしか出来ない、オンリーワンの色彩センスだ。

ファイルで古い作品も拝見した。
昔からうまい人だったことが分かるが、最近の方が独特のオーラが強まっている印象だった。
どんどんよくなっているのではないか。
ただ、この色彩は好みが分かれるかもしれない。

「カラーよりモノクロの作品の方がいいといわれるんです」と、大広さん。
確かに、モノクロ作品はうまい。
しかし、こういった作品ならほかにもかける人はいそうな気がした。
やはり、私にはまね出来そうにないカラーの作品に惹かれる。

いろいろな意見もあろうが、私としては独自の色彩感覚に磨きをかけてほしい。
そう願いながら会場を出る。

しばし迷い込んでいた森の中から、抜け出たような感覚になった。
日差しがまぶしい。
都会の喧噪を歩きつつ、眼を閉じると先ほどまで迷い込んでいた森の木々の息づかいが蘇る。
ーーいい展覧会だった。



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大広ようこ「イラストレーターズ通信」ページ

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「木のある風景」展
出品者:井上文香、大広ようこ、川崎真奈、篠原いづみ、豊福摩希子

2012年5月11日(金)-16日(水)

11時 - 19時まで(最終日は17時まで)

OPA gallery オーパ・ギャラリー
東京都渋谷区神宮前4-1-23.1F




会員展覧会レポート【井上文香5人展「木のある風景」】


オーパギャラリーにて、「木のある風景」展が開催中だ。
5人のイラストレーターによるグループ展である。
どの作家もレベルは高く、見知らぬ森に迷い込んだかのような錯覚に陥る好企画となった。
出品者のうち、井上文香さんと大広ようこさんの2人はイラストレーターズ通信の会員。
まずは、井上文香さんのレポートをお送りする。

ギャラリーのドアを開けて見回しても、よく知っているはずの井上さんの作品が見当たらず、戸惑った。

彼女はマーカーを使ってカラフルに仕上げた作品で、ここ何年か会員として在籍いただいている。
その作品が会場内になかったのだ。
戸惑う私に、会場にいらした井上さんが「私の作品はこちらです」と振り返った壁を指し示した。
そこに飾られていたのは、意外にも油彩画であった。

初めて見るタッチだが、よそよそしさはない。

むしろよく知っていた知人に偶然であったかのような、穏やかな親近感に満ちている。
暖かな日差しのように見る者を包み込む優しさがあった。
油絵だけれどこってりとした質感はなく、どこか水彩画にも近い雰囲気だ
聞くと、オイルを多めに使って塗るのだという。


新展開だが、実は大学時代は油絵を学んでいた。
その後、イラストレーターを目指すにあたって一度は引き出しの奥にしまっていた技法なのだという。
最近になって、油彩でまた描き始めた。
とはいえ、イラストレーションの仕事で使うという意図はなく、あくまでプライベートな創作だった。
ところが、オーパギャラリーのオーナーに見ていただいて、この作風を気に入ってもらい、今回の企画展につながった。
さらには油絵とマーカー作品両方を載せた画集も、つばめブックスから出ている。
油絵が、イラストレーター井上文香の、あらたな未来を切り開こうとしていることを感じる。

会期は、16日(水)まで。

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井上文香「イラストレーターズ通信」ページ



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「木のある風景」展

出品者:井上文香、大広ようこ、川崎真奈、篠原いづみ、豊福摩希子



2012年5月11日(金)-16日(水)
11時 - 19時まで(最終日は17時まで)

OPA gallery オーパ・ギャラリー
東京都渋谷区神宮前4-1-23.1F

2012年4月19日木曜日

会員展覧会レポート【きたざわけんじ個展「さくら色のかぜ」】




ギャラリーに向かったその日、青山の街は、ちょうど桜が見頃を迎えていた。
ひらひらと花びらがいくつも私の周りを舞う。

きたざわけんじさんは、毎年、この季節、同じ青山のギャラリーで個展を重ねて、今年で4回目になる。

初めて個展にお邪魔したのは、数年前だ。
まじめな好青年という、ごく普通の外見である。
お話を伺っても、その印象は変わらない。

しかし、、、実はーー
彼は、風の魔法使いではないか、と勝手に思っている。
彼の作品にはいつも風が吹いているからだ。
具体的に風が描き込まれている訳ではない。
それなのになぜか、どの作品にも風を感じる。
不思議なのだ。

今回もHBギャラリーの中に入ったとたん、
会場いっぱいに飾られた作品に包まれた私の体を、風が吹き抜けた。
大げさではなく、確かにそんな気持ちになったのだ。

決して強く吹き付ける北風ではない。
心地よく、ほほをなでるさわやかな風だ。
そう、まさに「さくら色のかぜ」なのだ。
うまくつけられた展覧会タイトルに納得する。

もちろん室内に風が吹く訳はない。
理屈ではそう分かっているのだが、、、
今確かに吹き抜けたあの風は何だったのだろう、、、
何かの魔法にかけられたかのような気持ちになる。

具体的に風を描かないのに、風が吹く。
その不思議な才能は、これからさらに、広くたくさんの人々の心にも広がってゆく予感がする。
日本にとどまらず、世界中に、彼の心地よい風が吹き抜けることになるのではないか、、、
と、わくわくしながら想像している。

彼は、第1回イラストレーターズ通信コンペで入選。第3回では銀賞を受賞した。
最近でてきたイラストレーターの中でもその活躍ぶりは抜きでている。
出版、エディトリアルはもちろん、広告、プロダクトと、その広がりはとどまるところを知らない。

今後がさらに楽しみだ。
心地よい風の余韻に浸りながら、会場を後にした。

(森流一郎)





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きたざわけんじ「イラストレーターズ通信」ページ

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きたざわけんじ個展「さくら色のかぜ」
会期:04/13(金)ー 04/18(水)
場所:HBギャラリー

2012年4月18日水曜日

会員展覧会レポート【江頭路子 個展「いつか みた けしき」】



江頭路子さんの個展を見てきた。
彼女は、第2回「イラ通」コンペの入選者。
最近、注目している新人の一人だ。


ギャラリーの外から会場をのぞくと、いくつもの水彩画が静かに並んでいる。
それを見た瞬間から何かが私の中でこみ上げてきた。
この感情は何だろう……
会場に入る前から、何かの感情がわき上がってくることはそうない。
しかも今回はその感情の正体がすぐには分からなかった。


分からないままに、ギャラリーに入った私の前に広がる作品たち。
作品と向かい合っていると、ますます大きくなった何かが私の心を、キュッとつかむ。
不思議な体験だった。


新作のイラストレーションは、これまで以上に淡い色使いになってきているようだ。
以前の作品にあった、細かい描き込みは潜め、もっと大胆な筆致で、しかし繊細な世界を表現している。
特に、会場に入って右手奥下にあった作品の、内相的な少女の瞳が印象的だ。
その瞳と向かい合っているうちに……
この感情の正体が分かった。
それは、「切なさ」だ。


江頭路子さんの作品に知らず知らず心を動かされ、「切なく」なっていたのだ。


自分自身でそのことに戸惑いつつ、彼女に尋ねた。
「これは江頭さんの心の中を表現しているのですか?」
「うーん」と、印象的な笑顔で、少し小首をかしげて、それから天井を見上げた。「そうかもしれないです。きっとそうですね」
そういって私を見返してきた。
その眼は、絵に描かれていた瞳にそっくりだった。


この作品は、彼女自身知らず知らずのうちに、自分自身の内面を表現しているのかもしれない。
私が勝手にそう感じただけかもしれない。
どちらなのかは分からないが……
ギャラリーを後にしながら、あの印象的だった作品の瞳が頭の中からはなれなかった。

心に残る「いい」展覧会だった。


21日(土)まで。


(森流一郎)





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江頭路子「イラストレーターズ通信ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0665&mode=profile


江頭路子、英語ページ
http://www.illustrators.jp/e_profile.php?id=0665


会期: 4/16(月)から 4/21(土)

時間: 11:30から19:00  (土曜日17:00まで)
会場: ギャラリーハウスMAYA(東京都港区北青山2-10-26)

http://www.gallery-h-maya.com/





2012年4月11日水曜日

会員展覧会レポート【後藤美月個展「身から出た米つぶ」】





後藤美月さんの個展が、オーパギャラリーで開催中だ。
子供の遊び心そのままのようなデフォルメ。
黄みがかったレトロな色彩の作品群で埋め尽くされた会場。
ギャラリーに一歩踏み入れたとたん、無邪気だった自分の子供時代に戻ったかのような気持ちにさせられた。
見たことがないなずなのに、懐かしい。
子供の頃の宝物に久しぶりに再会したかのような感激で、思わずひとつ持って帰りたくなった。
実際、販売済みのシールが貼られた作品も少なくない。
持ってかえりたくなったのは、私一人ではなかったのだろう。


作品の横には、オリジナルのことわざがあり、そのことわざを絵にしたのが今回の作品だという。
言葉にもこだわりがあるとのことでーー
「自分の言葉と絵で、絵本を作っていきたい」という。
夢を語るときの、瞳の輝きもまた印象的だった。
思わず応援したくなる。
ぜひ、かなえてほしい。


彼女は、昨年のイラストレーターズ通信コンペで入選している。

ザ・チョイスでも4回の入選、 第6回ノート展準大賞など、コンペの常連といってもいい。
今、最も期待される新鋭の一人だろう。



本日が最終日。17:00まで。
未見の人はぜひ会場へ。(ぎりぎりですが)



(森流一郎)



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後藤美月、イラストレーターズ通信ページ:
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0778&mode=profile


オーパギャラリー:
http://www.geocities.jp/opa_gs/