林けいかさんが、これまでの「かわいい」画風とは一変したタッチで個展を開催中だ。
あさって12日までとなったが、会員展覧会レポートをお送りする
ギャラリーの扉を開けた私を、何かの光が包み込んだ。
まぶしい思いで室内を見回す。
そこには、これまでよく知る彼女のタッチとはまるで違う作品が並んでいた。
「きらきら」が展覧会のタイトル。
作品ひとつひとつに光が描かれている。
これが会場に満ちているからだろうか?
林さんにお話を伺いながらも、まぶしい思いは消えなかった。
これまでの作品は「かわいい」キャラクター的タッチの作風で描いてきた。
Photoshopで線画に色を付けたものが多い。
それが今回の個展で飾られていたのはーー
絵の具を塗込めた、もっと大人な作品だった。
「かわいい」タッチでは、雑誌のカット等でお仕事をしてきた。
今後は、展示した作風でもどんどん描いていきたい、装丁や小説挿絵などに活動の場を広げたい、と話す林さん。
そして、作品販売も積極的に行っていきたいのだという。
だから「お部屋に飾って心地よい作品」ということも考えて描いたそうだ。
既に二つの作品に売約済みのシールが貼られていた。
さらに目標はつきないようだ。
この画風にあった人物の描き方がまだ見つからない。
今後の目標は人物だと、笑顔で抱負を語る林さん。
その瞳がまぶしい。
そうなのかーー
ようやく気がつく。
私を包んだ輝きは、イラストレーションに光が描かれていたからだけではなかったのだ。
林さん自身が「きらきら」と光っていたのだ。
未来に向かってまっすぐに進もうとする、林さんの魂の輝きーー
それが作品ひとつひとつにも宿って、空間を満たしていたからこそ、この個展会場でまぶしさを感じたのだ。
まだ発展途上なのかもしれない。
しかし、そのまっすぐな気持ちがあれば、大丈夫だろう。
これから、さらによくなっていくはずだ。
楽しみな才能がまたひとつ増えた。
(イラストレーターズ通信 主宰/森流一郎)
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林けいか「イラストレーターズ通信」会員ページ
http://www.illustrators.jp/profile.php?id=0577
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林けいか個展『きらきら』
会期:2012年9月7日(金)から12日(水)
時間:11:00から19:00(最終日は17:00まで)
場所:OPA gallery(東京都渋谷区神宮前4-1-23-1F)
ギャラリーホームページ:http://www.geocities.jp/opa_gs/