2018年3月9日金曜日

いいイラストレーションとは?

技術的に上手いけれど、つまらないイラストレーションがあります。
逆に、技術的には下手だけど、とてもいいイラストレーションも確かにあります。
それはどこから来るのでしょう?
いいイラストレーションとはなんなのでしょう?

あくまで私の個人的見解ですがーー
「いいイラストレーションとは、世界観のあるイラストレーションである」と考えています。

世界観とは、そのイラストレーターだけが持つ価値観・感情・センスに根ざした、世界の見え方、感じ方です。
それまでの体験や感動や生き様が長い時間をかけて発酵し、生まれるものです。

仮に薔薇の絵を描くとしましょう。
本物のイラストレーターなら、ただ単純に薔薇の形や色を紙の上に写し取るようなことはしません。
そのイラストレーターの世界観というフィルターを通した、唯一無二の薔薇を描くはずです。
だからこそ、100人のイラストレーターが薔薇を描けば、100種類のまるで違う薔薇のイラストレーションが生まれるのです。
同じような絵があったとしたら、それはまだ世界観が未熟で、魅力的でないイラストレーションなのだと思います。


この広い世界に二つとない薔薇を描ける人は、きっと本物のイラストレーターだと思います。今はまだそうではないとしても、そうなる資質があるのだと思います。

あなたは、自分だけの薔薇のイラストレーションを描くことができますか?





文:「イラストレーターズ通信」主宰 森 流一郎

※この文の著作権は森流一郎にあります。著作権法上の例外を省き、無断使用を禁じます。