○「お仕事確認書」とは?
イラストレーターがイラストレーションのお仕事を受けた際に、発注者との間で交わす覚え書きです。
思い違いや不手際、そして思いがけないトラブルを防止するため、全てのイラストレーターの皆さんに使用をオススメします。 (もちろん、トラブルを100%防げるわけではありませんが。)
詳しくは、こちらで説明しています。
https://illustratorstsushin.blogspot.com/2018/08/blog-post.html
今回は、「お仕事確認書」を電子メールで代用する方法を説明します。
紙に直接署名するのがベストな方法です。電子メールでの代用は、直接会うことができない場合に限って使いましょう。
特に大きなお仕事では、紙に直接署名することをオススメします。
○電子メールで代用する方法
1)まずは、電子メールで「お仕事確認書」のテキストを送信。
イラストレーションの依頼を受けたら、発注者に対して、次のような電子メールを送りましょう。
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この度は、お仕事のご依頼、誠にありがとうございます。
たくさんのイラストレーターの中から私を選んでくださったことに、心から感謝します。
お仕事を始めるにあたりまして、行き違いや不手際を防ぐため「お仕事確認書」の記入をお願いしております。
お手数をおかけしますが、下記項目( )内にご記入の上、ご返送くださいますようお願い致します。
- - - - - - - - - - - - - - - - - -お仕事確認書 - - - - - - - - - - - - - - - - - -
【記入日】 年 月 日【担当者様お名前】( )
【会社名・部署名】( )
【会社住所】( )
【会社電話番号】( )
【メールアドレス】( )
【クライアント様の名称、住所、電話、担当者様のお名前】( )
【使用媒体】下記項目よりお選び下さい。その他の場合は具体的にご記入願います。
・広告(新聞・雑誌・ポスター・パンフレット・カタログ・小冊子・リーフレット・Web・その他 )
・出版(単行本・文庫本・雑誌・電子書籍・その他 )
・Webモバイル関連(Web静止画・Web動画・モバイル動画・待ち受け画面・アプリ・SNS・その他 )
・その他( )
【媒体タイトル(または企画名や記事名)】 ( )
【発行年月日(または使用期間)】 ( )
【発行部数】( )
【発行地域】( )
【競合他社での仕事を禁じますか】 (禁じる/禁じない )
・禁じる場合は、禁じる業種と、その期間をお記入ください。( )
【作品点数】( )
【掲載サイズ】複数ある場合はそれぞれのサイズをご記入ください。
(タテ mm×ヨコ mm )
【色数】(4C/2C/1C )
【ラフ提出日】( )
【最終納品締切日】( )
【イラストレーションの納品方法とデータ形式】 ( )
【1点あたりの原稿料】サイズにより変動がある場合は、各サイズごとの料金記入をお願い致します。
( )
【流用の有無とその料金】 (有り/無し)
・有りの場合はその内容( )
・有りの場合はその料金(¥ )
【原稿料合計(総支払額)】(¥ ) 消費税(込/別)
【請求書は必要ですか?】 (はい/いいえ)
・「はい」の場合、電子メールに添付してお送りしてもよろしいですか? ( )・請求書送付期限( 月 日必着)
・請求書の宛名 ( )
【原稿料支払日】( )
※作品受け取り後60日以内にご入金頂けるとありがたいです(下請法第2条の2)。難しい場合はご相談下さい。
【振込口座】画料は下記口座にお振込お願い致します。
( )
【振込手数料の負担】 (振込側・受け取り側)
【その他特記事項があれば、ご記入ください】( )
※注意事項
・著作権はイラストレーターが所有しています。この書面にない作品の使用・二次使用・流用・改変などは、別途使用料が発生します。
・イラストレーターは、著作権法で保障されている著作人格権を行使することができます
・イラストレーション納品後に、その使用が見送られた場合にも画料が発生します。ラフまでなど、制作途中であってもその進行状況に応じて代金が発生致します。
・作業終了後は、原画及び複写・データをイラストレーターにご返却ください。(オンライン納品のデータは除く)
・印刷物等が仕上がりましたら、見本をイラストレーターにお渡し下さい。Web上に公開された場合や電子書籍は 、そのURLをお知らせください。
・イラストレーターは、今回の仕事の画像をWebサイト、ポートフォリオ等で仕事歴として掲載することがございます。問題がある場合は、事前にお知らせ下さい。
- - - - - - - - - - - - - - - お仕事確認書は以上です - - - - - - - - - - - - - - - - -
「銀行口座」「 イラストレーションの納品方法とデータ形式」は、イラストレーター側で記入してから送ります。
他の項目も、できる限り事前に聞き出しておき、可能な範囲でイラストレーター側が記入した状態で送る方がスムーズに進むと思います。
それぞれのお仕事によって必要な項目は違います。
そのお仕事で不要な項目は削除し、必要な項目があれば追加しておきましょう。
2)イラストレーター側からの返信。
発注者から 記入いただいた電子メールの返事が来たら、内容を確認します。記入漏れや、問題のある記述がなければ、
「お仕事確認書を確認し、その内容に同意しました。」と、イラストレーターの名前と連絡先を書いて電子メールを返送しましょう。
この電子メールが契約書代わりとなります。
双方で、この電子メールをそのまま保存しておきましょう。
3)記入していただいた内容に問題がある場合。
例えば、「画料が安すぎる」「スケジュールに余裕がない」というケースも考えられます。
こうした問題を防ぐためにも、重要な条件やスケジュールなどは事前に確認しておき、お互いに合意してから「お仕事確認書」の電子メールを送るようにしましょう。
とはいえ、事前の話と違ってくることもあるかもしれません。
その場合は話し合いを持つしかありません。
話し合いの結果、合意できたら、改めその内容でお仕事確認書を書いていただきましょう。
この場合、最初のお仕事確認書は破棄していただきましょう。
法的には、記入日があとの方に効力があります。
※Special Thanks
「お仕事確認書」を電子メールで代用する方法は、イラストレーターズ通信会員の多田あゆ実さんのアイデアです。この場を借りて、お礼申し上げます。
文:「イラストレーターズ通信(https://illustrators.jp)」主宰 森流一郎