なかむら葉子さんが、HBギャラリーで個展を開催した。
彼女は、「第4回イラストレーターズ通信コンペ」で大賞を受賞し、今最も期待される新人の一人である。
その個展とあって、数ヶ月前から心待ちにしていた。
「期待が大きくなりすぎているか……」と少し不安もあったが、それは杞憂だった。
会場に並んだ作品を見て、心の中で大きくうなずいた
「大丈夫だ」と。
コンペで受賞した作品に比べると、全般に色が強めになってきた印象だ。
風景が多かったが、椅子など「もの」を単体で描いた作品もある。
大賞を取ったからとそこに安住するのではなく、新しいチャレンジを試みている。
それが頼もしい。
しかし、彼女らしい世界観は変わらない。
そこがうれしい。
九州在住の彼女だが、個展期間中は東京にホテルを取って毎日在廊しているという。
さらに、午前中は、出版社などへの持ち込みもしていると聞いて驚いた。
イラストレーターという職業にかける「気迫」を感じる。
「もう少しで世界が開ける、その一段手前のような気がするんです」
というなかむらさん。
一段登った後に開ける世界がどんなものになるのか、ファンの一人としても見守りたい。
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