2018年6月13日水曜日

プロイラストレーターで成功するために必要な、絵の五大要素

私は、プロフェッショナル・イラストレーターとして成功するために必要な絵の要素が五つあると考えています。
これはあくまで私(森流一郎)の考えです。
他にもいろんな考えがあって、どれも正解だと思います。
たくさんある考えのうちの一つだと思って読んでくださいね。

それでは、五つの要素を説明していきます。


1)技術
まずは技術です。 
イラストレーターになるためには、間違いなく、絵の技術が必要です。 
これがなくてはイラストレーターにはなれません。 
デッサン力、描写力、遠近法の技術、生きた線を引く技術、画材の使い方、などの様々な技術が必要です。 
技術は比較的簡単に取得できるものです。 
夢中になって、たくさん描くことで、誰しも技術は向上します。 
とはいえ、すぐに上手になれるわけではありません。
地道に長い年月、ずっと描き続けることが必要でしょう。

しかし技術があるだけでは、ただ上手なだけの絵になってしまいます。 
そんな絵は、この業界では求められていません。 
上手なだけではプロフェッショナル・イラストレーターになれないのです。
技術以外に必要な要素とはなんだと思いますか?


2)センス
技術以外にまず必要な要素は、センスです。 
色のセンス、デフォルメのセンス、構図のセンス、モチーフを選ぶセンス、絵の見せ方のセンス‥‥ 
どんなに技術的に優れていても、こうしたセンスがなければ、ただの上手な絵で終わります。
特に 美術系の大学受験をしたことのある方は、デッサンをばっちりやっていることが多いです。 
しかし、技術的に上手でもこのセンスがないと、ただ上手なだけでつまらない絵になってしまいがちです。 
残念ながら、そういう絵がイラストレーションの仕事で使われることは少ないでしょう。 
逆に、技術は多少下手でもセンスの良いイラストレーションなら、いいお仕事に巡り会う可能性があります。
イラストレーションでは、技術以上にセンスを求められることも多いのです。 

センスは生まれながらの才能で、自分にはないと諦めている人はいませんか?センスを伸ばす方法はあります。
一流のイラストレーションや絵画、デザインといった芸術や表現にたくさん触れ、感じることで養われるのです。 
 あなたの中にセンスの良いもののストックをたくさん溜め込むことが大事です。 
あなたの中に溜まった膨大なストックから、センスの良い表現は生まれます。 
ただ、技術に比べると、その取得は容易ではありません。 
長い年月をかけて、少しずつ養われるものだと思います。 


3)世界観
世界観も大事な要素です。世界観が弱くともイラストレーターになれますが、一流になることは難しいでしょう。 
一流のイラストレーターと、三流のイラストレーターを分けるのは、この世界観ではないかと思います。 
一流になることだけが正解ではないですが、世界観を持っている人は一流になれる可能性があると思います。 
個性やオリジナリティと呼ばれるものは、この世界観に含まれていると考えます。 
独自の世界観が強いものは、個性的でオリジナリティの高い作品となります。 
世界観の獲得は、技術よりもはるかに難しいです。 
それは、センスを取得するよりも、さらに長い年月がかかるでしょう。
子供時代からの人生経験、読書、映画鑑賞、音楽鑑賞、演劇鑑賞などにより、少しずつ、少しずつ形成されるものだからです。




4)時代性
流行は追う必要がないものです。 
しかしその時代の中で、時代の風を感じて生きることは大切だと思います。 
そこから自然と作品に滲み出てくる雰囲気が、イラストレーションの時代性となります。
時代性のないイラストレーションは、いい仕事に恵まれることが少ないでしょう。
とはいえ、「今こんな絵が流行っているから」という理由で描いたイラストレーションは、とてもつまらなくなります。 

70年代の横尾忠則さんも80年代の日比野克彦さんも、その時代を代表するイラストレーターです。
二人とも、時代性という点で第一級の作品群を残しています。 
しかし、決して流行を追いかけたりはしていません。 
その時代の風を受け、その時代の空気を吸って生きていく中で、自然と魂から湧き出たものが、結果としてその時代を代表する作品になったのではないかと想像します。



5)大衆性
現代美術と違って、イラストレーションは大衆のものだと思います。 
ごく一部の人だけがわかればいいものではなく、広く大衆に喜んでもらえるものがイラストレーションだと思います。 
ただし、すべての人に好かれるイラストレーションはありえません。 
 あなたの表現したいことを大事にし、その世界観に共感してくれる人に喜んでいただく、そんな作品を作り続ければ良いのだと思います。
大衆を意識しない人もいるでしょう。
 誰かに喜んでいただくためではなく、ひたすら自分の好きなものを描くタイプです。 
結果として、ごく一部の人から熱狂的に支持される可能性もあると思います。
 しかし、大衆に求められなければ、食べていくことは難しいでしょう。 
そしてそんな生き方をする人は、イラストレーターではなく、アーティストと呼ぶべきだと思います。 
どちらの生き方も素晴らしいものです。 
 しかし、イラストレーターを選ぶのであれば、大衆が喜んでくれるものを目指すのが王道でしょう。

「売れっ子のイラストレーター」と「作品がいいのに仕事が少ないイラストレーター」を分けるのは、時代性と大衆性という二つの要素が大きいと思います。 





私が日頃若手のイラストレーションを見るときの基準としてこのつの要素で評価することが多いです。

「とても上手い。技術点は10点満点。だけどセンスはイマイチ5点だな」
「大衆性は素晴らしいから9点。でも世界観は平凡で3点かな」といった感じです。

全部で満点を取る必要はないので、自分の得意な要素を見極めて、より伸ばすことが大事だと思います。
すべてで高得点の人は、プロでも滅多にいないでしょう。
今で言えば、木内達朗さんや網中いづるさんなどごく一部の方のみだと思います。

センスをよくする方法や世界観を深める方法に関しては、団体Webサイト内の会員だけがアクセスできる「イラストレーター入門講座」で、いずれ詳しく講義していきたいと考えています。





イラストレーターズ通信会員は、会員専用掲示板にて、この記事の内容に関する質問をすることができます。
誠に恐れ入りますが、会員以外の方の質問には対応しておりません。
会員専用掲示板では、イラストレーターが仕事をしていく上での不明点、絵の描き方に関する疑問点・アドバイス、イラストレーターの仕事上のトラブルに関する相談など、さまざまな質問・相談が可能です。
イラストレーターズ通信:http://illustrators.jp
入会の案内はこちら:http://illustrators.jp/recruit.htm


※この文の著作権は森流一郎にあります。著作権法上の例外を省き、無断使用を禁じます。